先日、自治体の方が研究調査のため淡河に来られました。民泊について事例研究をしているということで、興味があったので混ぜてもらいました(そして最高にうまいしし肉の焼き肉に出会うという幸福。ふらっと行ったのにとんでもなくうまいものにありつける奇跡が農村には多い)。

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農村地域での民宿開業は規制緩和が進んでおり、複数のパターンがあるようです。
 
自治体の方々が今事例調査しているのが、「農村漁村生活体験ホームステイ」というもの。これは、地域で協議会のようなものを作りそこが窓口となり、それぞれの家を斡旋していくという方法。昨今修学旅行の受け入れを集落全体で行い、各家庭にホームステイするような方法が静かなブームになっているように、単独で簡易民宿やゲストハウスをするのではなく、ホームステイを地域の活動として受け入れるような方法です。ただし、この方法は宿泊料という名目でお金を取ることができず、体験や食費にかかった実費しか原則取れないというものです。

純粋に、こういう事業を通じて、例えばご高齢のご夫婦の家に修学旅行の中学生が民泊しお互いにとっていい時間になれば、交流としてとても魅力的だと思います。一方で、業ではないので、宿泊料として利益が出せないというのは、継続性を考えてもとても難しいとも感じます。

一時的に厳しい状況があるにせよ、将来的に利益を生み出す投資となる可能性があるなら時間をかけて大きくしていくという手段はあると思いますが、いつまでも実費のみの徴収しかできないとなれば、それは持続可能なものではないと思います。

例えば、1泊3,500円の料金を取り、協議会にコーディネート料500円、受け入れ家庭に3,000円が入るような仕組みになれば、大きく儲けることはできなくとも、他の事業と組み合わせて継続が可能になるかもしれません。受け入れた家庭も決して大きな金額とはなりませんが、人との交流を楽しみつつ、少し出た利益で町の人同士でおいしく飲むコーヒー代や食事代くらいになればいいのになと感じました。いずれにせよ、やったことに対して正当な対価を得るというのはどこの世界でも当たり前で、「農村=清貧」みたいになってはいけないということです。

何かを始めようと思うに付け、法律というものが信じられないくらいがんじがらめに整備されていることを実感する日々です。自治体の方々との協力体制も、補助金という部分もありがたく大切ですが、街の人々が挑戦しやすいような風土を作るために法を整備するという部分で大きな力になってくれると嬉しいなぁと思う最近です。