2年と数ヶ月働き公文式を退職し、学生時代に活動していたブレーンヒューマニティーに職員として戻ることになりました。いつも直感と勢いだけで決めてきた人生でしたが、この時ばかりはお世話になった方々への葛藤がありました。ただもう過去は変わらないのと主旨からはずれるので言い訳がましいことは封。

とにかく、また兵庫県に帰ってきました。

次の仕事が始まるまで、3ヶ月の間がありました。農業に興味が湧いていたこともあり、ここしかないとばかりにホームステイ型の農業体験に申し込み、3週間ほど福井県に行ってきました。
 ふるさとワークステイ
(おすすめです!)

まず最初に受け入れてくださったのは、その当時Uターンして新規就農されたばかりのネギ農家の方。
その時感じたことを列挙。

・朝4時起床はかなりつらい。
・ただ、真夏の早朝はとても気持ちがよい。
・腰をかがめて雑草を抜き続けるのは相当しんどい。
・農機具が高身長の人間に合わせて作られていない(かつ使い方ヘタ)ので、常に腰が痛い。 
・近隣の農家の方々とコミュニケーションを取っている時間が結構多い。1日の作業時間の5分の1くらいは畑の隅で色んな人と話していた。
・収穫した後に、朝から晩まで作業場で行う機械での根切り、サイズ分け、包装の単純作業が相当つらかった。これを仕事としてずっとするのは・・・。
・逆に、根がついたまま段ボールでどんっ!と出荷できてしまえば、余計な人件費や経費がかからないしその分多少値段を下げるか農家の所得を上げるかできるのに、なぜこんな無駄なことをしているのだろう。
・朝と夜(へたすれば昼も)家族みんなで食卓が囲めるのはとてもよい。
・身体を動かした後に食べる食事に勝るものはない。
・何も気にせず思い切り汗をかくのは気持ちがいい。
・収穫したてのネギの網焼きが死ぬほどうまかった。

10日ほどお世話になり、その次にお世話になったのは菊農家さん。

お盆前だったこともあり、猛烈な忙しさで、
「よく来たあんちゃん!」
と歓迎してくれました。
ふるさとワークステイ2
(検索したら写真載ってた・・・。)

この時も朝4時頃目覚め、1日中動き回って夜の発送作業が終わるのが21時頃。体力的に相当きつい。

お昼前の11時半ごろになると、いつも、
「あんちゃん、水は飲めよ!倒れるぞ!」
と言ってくれるおやっさんからこんな言葉が出ます。
 
「あんちゃん、ここから昼までは水飲んだらあかんでぇ。我慢しな。」

喉が渇いてフラフラになって家に戻ると、まずはシャワーで汗まみれの身体を流します。その後、おやっさんからビールを手渡され、
「いけ、あんちゃん。」
と手短なGOサイン。その後一気飲み。

普段ほとんどアルコールは飲みませんが、このビールの旨さを忘れることはありません。その後今度は一瞬にして酔いが回りフラフラになったまま素麺などをかき込んで、
「よしあんちゃん、14時半まで寝ろ。」
と言われクーラーの効いた部屋で爆睡。

こんなメリハリの効いた仕事がこの世にあったなんて。
ただ14時半に起きたときのけだるさといったらなかったよ。

この菊という作物も、取引価格が毎年大きく変わり、同じ量を出荷しても売上額が2倍も3倍も変わってくるそうです。
この年は全国的にあまり菊の生育がよくなかったようで、FAXでビロビロ流れてきた取引価格のようなものを見て、
「あんちゃん!今年は大儲けじゃあ~~~~!!!」
と喜んでいました。出荷だけで終わってしまうと単価の予測ができないので、売り上げをコントロールできないのは難しいなぁと思いながら見ていました。

そんなこんなで、3週間でしたが、農家さんの忙しい時期を横で垣間見ることができました。やはり理想と現実は違い、
「いつか絶対農家に!」
とまでは思えなかったのですが、当たり前のように家族が近くにいるような生活の在り方や、生き物を扱う中でなんでもかんでも人間の思い通りに物事は進まないとわきまえて仕事をされている様子を見て、その姿に充分な憧れを抱きました。
農家という職業でなくとも、こういう場所で生活ができたらよいなと思った3週間でした。 

(無駄につづく)