現在農村定住コーディネーターのお仕事をしていますが、自分がこの地域の家を借りるときに気をつけたことについて書いてみようと思います。契約書については前職で何度も痛い目にあってきたのと作成のプロがいたので横目で見ていたこともあり、それなりに考えながら作れたのではと思っています。

農村の家を貸していただくときは、
「余計な手間や心配をかけさせない。」
というのが非常に重要なポイントになると思われます。

そのポイントには下記のようなことがあります。
●明け渡し方
●家の修繕
●地域の関係

いくつか挙げてみたので、今後交渉で家を借りる方の参考になれば幸いです。

1、家のモノはそのままでよい(=片付けなくてよい)と伝えること。
貸す側の腰が上がらない大きな原因は、おそらく、
「家にモノが多すぎること。」
ということが考えられます。
農村の家は収納スペースがえげつないほどあるので、モノが大量に置いてあることがほとんどです。
「人に貸すなら、空っぽにしないと・・・。」
それはやはり気が重すぎます。大抵比較的大きな倉庫や蔵があるケースが多いので、話し合いの上捨ててはいけないものはそこに保管しておき、それ以外は、
「自分たちで処分したり整理するのでそのままの状態で貸していただければ大丈夫です!」
と伝えると、大家さんのハードルはぐっと下がるはずです。

2、大家さんの一存でいつでも出ていけるようにしておくこと。
農村は先祖代々受け継いできた家も多く、簡単に人に貸したり売ったりするのは不安も多いと思います。一度誰かに貸したらそのままずるずるとその人のものになってしまうのではないかという心配もあると思います。なので、何か状況が変わって(自分が住むとか息子が帰ってくるとか、住んでもらったけど変な奴だったとか)、すぐに退去して欲しいときにそれが可能になるような文言を契約書に入れるのがよいと思います。自分の時は、大家さんから申し出があったときは3ヶ月以内に退去することという文言を入れました(つらいけど)。

3、ここを直せ、あそこを直せと言いませんという雰囲気と契約書を作る。
農村の家は当然ながら古い。古いからこそ味があるので、それを修復しながら大事に使わせてもらうのは借りる側の役目。大家さんも、何かあるごとに、
「あそこに不具合が出た、直してほしい。」
と言われるのはお金もかかるし鬱陶しいに決まっています。もし家の不具合はすべて大家の責任だと思われる人は、絶対に都会に住んだ方が幸せです。家の修繕は原則すべて借りている側が負担するくらいの気持ちで契約書に盛り込むと、安心してくれる可能性は高まると思います。
自分の場合はそう提案しましたが、大家さんが、
「屋根とか水道周りとか外の部分で不具合が起きた場合はこっちが直すから言いや。」
と仰ってくれたので、契約書にも修繕義務はどちらにあるのか外と中で明記しました(こういう話し合いは嫌がられるが、後で何かあったときに解釈で揉めるので明確にしておいた方がよい)。実際に住んでみて、台所の床がべこべこだったので、友人の力を借りてDIYしました。
床抜いた後
(床を抜いて)
床完成
(この通り!万歳!)
こういう作業を楽しめるか、「こんな家の状態で貸すなんて!」と憤慨するかで、農村生活は大きく変わりますね。

4、地域に関わる意志があることを伝える。
おそらく大家さんが一番心配するのが、
「変な奴が住んで地域に迷惑かけたら地域に面目ない。」
ということであると思います。農村はその風景を守っていくためにも隣人同士が協力し合うことが不可欠なので、変な人が入った時の周りに与える不利益は都会よりもシビアです。なので、地域の行事ごとや役割事はちゃんと担うという意識を伝え、大家さんを安心させてあげるのが大切だと思います。そういう地域の関わり事が面倒くさいと感じる人は、農村に住んでもしんどいだけで地域にとっても迷惑なので、プライバシーが充分守られる都会に住んだ方がよいと思います。

「なるほど!」
「なんでそんなに謙るんだ!?」
など様々な意見はあるかと思いますが、自分の場合はやっぱり紹介していただいた家に絶対住みたかったので、どうやったら大家さんが安心してくれるかをそれなりに考えました。
農村は家賃が安いと当たり前のように言われますが、実際は家も広くて、畑や田んぼもついているケースがほとんどです。都会よりも安価で借りれることにただ甘えるのではなく、大家さんには余計な迷惑をかけないことが恩返しになるのではと思っています。

他にも妙案あったらぜひ教えてください。