年末は消防団の特別警戒ということで、毎晩公会堂に行く。
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淡河町のような消防署から遠い地域には、火災の際の初期消火を担うことなどを目的に、地域住民で消防団というものが組織されている。
自分から入れてくださいと言った方がいいのか、現時点ではお呼びでないのかよく分からないまま移住して時間が過ぎ、昨年の暮れにお声がかかり、今年の4月から淡河町の自分の住んでいるエリアの消防団に入ることとなった。

この年末の特別警戒は、年末の6日間、毎晩地域の器具庫や公会堂に集まり、夜の20時から0時まで詰めている(地域によって何日間やるかやどれだけいるかは違うみたい)。今年入ったばかりだったので、6日の内3日間入ってくれればいいよという話であったが、毎晩0時までは結構つらかった。そして途中で風邪を引くという情けなさ…。

何をするかと言えば、積載車で地域を回り火の用心のアナウンスすることを除けば、ただひたすらいただいた差し入れを口に入れながら喋っている。
すごく不思議な空間。
 
防災活動の一環という目的であれば、もっと合理的なやり方があるような気がする。わざわざ年末の慌ただしい時に毎晩毎晩集まって、4時間何かしらやることがあればまだしも、ほぼ何もなく(平和だからないわけでそれでいいのだろうが)、4時間その場にいるというミッションだけが課せられる。
4時間というのは、何も目的なくいるには結構長い。
初日は4時間という時間がかなり長く感じて、あと2日間しんどいなぁと思った。
けれど日を重ねるにつれ、その居心地の良さも同時に感じることになった。

地域の情報を共有し、最新版にアップデートしていくこと。
新参者に、これまでの村の歴史を伝えていくこと。

そういうことが自然と行われる場所。
個人情報など笑えるくらい筒抜けだが、そうやってお互いのことを知り、地域のことを知り、共に地域で生きていく。

「なんでわざわざ東京からこんなとこきたんや?」
この質問に答えるためには、誤解のないようにするためにも最低10分くらい欲しいところであるけれど、今回聞かれた時はすぐに口から言葉が出た。

「たぶんこうやって近くに住んでるおっさん同士が集まって地域に対して何かしてて、お互いの素性をよく知ってるみたいなことがいいと思ったんでしょうね。これは淡河だったら普通かもしれないですけど、都市部だったら普通じゃないですから。まじで不思議ですよこの光景。」

あまり理解されなかったが、そういうことだということで。
それにしても、眠い日々が続く。