今日、西武ライオンズの松井稼頭央選手が引退を表明した。

こう書き出すと、松井稼頭央の大ファンのような奴がブログを書くような雰囲気になるが、そうでもない。

それよりも、この松井の引退により、パワプロ3の戦士たちがついに全員引退することになってしまったのだ(たぶん)。
※イチローの現在がやや謎ではあるが。
パワプロ

「腕がちぎれるほど投げた。」
と野球界ではよく形容されるが、
「ソフトが焦げるほどやった。」
と自負できるのがこの実況パワフルプロ野球3である。

小4くらいまでは外でサッカーや野球、缶蹴りなどに興じる鼻たれ小僧であったが、この頃から隣のマンションに住む亀ちゃん(西武ファン)の家で来る日も来る日も巨人VS西武の日本シリーズをやり続けるという日々であった。
パワプロ3の巨人は先発に斎藤、槇原、桑田という強力3本柱を擁していた。一方西武も石井丈、郭泰源、新谷という3本がいたため、日本シリーズはその投手をどういう順番で先発させていくかが勝負の肝であった。
一方中継ぎは、西武の鹿取&潮崎はシンカーがすごいが直球が遅いためあまり脅威ではなかった。一方巨人には伝説の不安定石毛を擁していたため、終盤にノーガードの打ち合いになることが多かったような気がする。

ちなみに亀ちゃんとの一番の思い出は、プレステに代わったいつかのパワプロで、3勝3敗で迎えた第7戦、7回の裏にダンカンという外国人でフォークを狙い打ちし逆転満塁ホームランを打った時に、亀ちゃんが涙を流していたことだ。

17時まで亀ちゃんとパワプロをやり、家に帰って夕食を食べた後もパワプロをしていた。
休みの日は親がダイエー(ホークスではない)に買い物に行く20~30分間がボーナスタイムで、だいたい1試合20分ほどで終わる試合を終えるかどうかで親が帰ってくるというスリリングな日々であった。

他の友人がドラクエやFFに興じている中、とにかく寝ても覚めてもパワプロをしていた。

パワプロ3の松井稼頭央は、パワプロによくありがちな
『ミート、パワーは低いが走力と守備力は高い。』
というイマイチ使いにくい選手だった。

やはりゲームなので、パワーかミートのどちらかは優れていないと困るわけで、
初芝や大豊的な「たまたま当たればスタンドまで飛ぶ」やつか、
波留や福良的な「内野と外野の間にライナーで飛ぶ」やつでないと中々点が取れなかった。

また松井は足が速かったが、キャッチャーが古田や中嶋では盗塁成功できないというなんとも使い勝手の微妙な選手であった(巨人の正捕手村田の前では走り放題)。

なので松井稼頭央のイメージはそんな感じだったので、現実世界で彼がいくら打っても、自分の中ではミート2、パワーEの選手だった。
(彼の全盛期であった自分の高校時代は、プロ野球よりも「トニービン産駒は東京の直線で伸びる」と競馬の血統に夢中だったことに原因があるかもしれない)

そんな子どもの頃の思い出の選手が、ついに引退。
パワプロ3で躍動していたあの選手もこの選手も、みんな現役から去っていってしまった。
パワプロ3ではまだプロ入りしていない高橋由伸が、現役を終え、監督までやってしまっているほど時は流れたのだ。

またあの日のようにランドセルを放り投げて亀ちゃんの家に行き、満塁ホームランをお見舞いしたい。

そんな哀愁を秋の空に感じるのだ。