茅葺きチームに、新しいメンバーが加わった。
年末に、
「本気で一人入れに行こう。」
ということになり、色々と採用方法をまとめて提案して、こちらのサイトで載せることになった。
独立した時に現場で働くチャンスをもらった場所。
手伝いなので職人仕事のレベルの高いところでは役に立てないけれど、こうして全く別の分野で困っているときに、これまでの経験を活かして役に立てるのは恩返しができたようで嬉しい。
職能が全く別の人とチームを組むと、それぞれが補うことができてとてもおもしろい。
 
26歳の彼もまた、中々社会にフィットできず、意を決して応募してきた。
1か月の試用期間の後、今後どうするかの話をすることになった。

若者と接していると、給料や福利厚生、休みなど、非常に諸条件を細かく気にする性質がある人が多いので(悪いことではない)、親方にも、
「時代も変わって昔からの師弟制度は中々イメージわかないと思うので、これとこれとこれについては採用する前にこちらからちゃんと伝えた方がいいんじゃないですかね。」
と進言し結構綿密な下準備をして臨んだが、彼は、
「僕でよければこのまま働かせてほしいです。弟子入りしたいです。」
と一言発するだけだった。
 
久しぶりに、とても覚悟のある姿勢を見た気がした。

これから5年か6年かはたまたそれ以上か、天気によっては休みすらも自由に選べない日々が続く。
それでもきっと、この期間みっちり修行することで、大きく世界は広がっていくと思う。
 
大学を卒業するのが22歳。
10年で32歳。
このあたりの10年間、色々な世界を見ることも大事、遠回りも結構。
ただ同時に、この10年間の中で5年以上一つのことをやりきることもまた非常に重要だと思う。

茅葺きの修行も、一人前になるのに最速で5年。
この5年というのは一つの意味のある数字のような気がしている。

30代以上と仕事をしていて、この積み上げがなくフリーライダー的なキャリアを積んできた人は結構すぐに分かる。
最近は合わなければすぐに会社を去ろうという風潮も多いが、ここと決めた場所で何があっても5年やり通すのは、選択肢を狭めているようで、その後のキャリアの広がりでいくらでも取り返せる。
逆は結構つらい。
 
「師弟制度は、何百年分という先達の知恵を一気にインストールしてもらえる一番合理的な方法。」
親方の表現の仕方はおもしろい。
 
彼のここからの成長が楽しみだ。
1593175914584