優勝。
小学生の頃野球を見るのが好きになり、優勝した日にこのスポーツ新聞というものがどうしても欲しくて父親に相談した。

実家がある団地には読売新聞の配達所があり、そこに朝早く、父親がくれた小銭を握り締めて買いに行った。
  
販売所ではなくあくまで配達所なので、恐る恐る扉を開けると愛想のないおっさんに
「ああ?!」
という反応をされつつも、小銭を渡すと報知新聞を渡してくれた。
  
嬉しくて嬉しくて隅々まで読んだ。

この行いは、ペナントレースと日本シリーズを優勝したときだけの特別な行事だった。

それから大学で親元を離れ今に至るまで、優勝した時の朝に買う報知新聞が本当に楽しみで、あの頃と何も変わってない。
変わったことは、コンビニで何の苦労もなく買えるようになったことくらい。
  
なんとなく、親との思い出も一緒に追いかけているような気がするのです。DSC_0000_BURST20201031074649443