先日、ある打ち合わせで茅葺きの親方のところを訪れると、お土産をいただく。
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2ストロークエンジンの仕組みが分かるガチャポン…。

「これ高速のパーキングで見つけたとき、つるちゃんに買わな!って思ったで。」
とやさしいお言葉。

そうなのだ。
昔からこういうことにからきし興味がないのであった。
高校時代にある友人がバイクを買い誇らしげに自慢していたが、羨ましさの裏返しで興味のないふりをするのではなく、リアルに何も興味がないのである。
今でも車は移動するためのものという認識しかないので、厳しい家計の中で高い車を買っている人の意味がよく分からない。
その根っこにあるのが理数系の科目で、特に物理と科学は悲しいほど面白いと思ったことがなかった。
そんな人間が今農業をしている………。
 
しかし農村に移住すると、嫌でも機械と付き合わざるを得なくなる。
刈り払い機、耕運機、トラクター、コンバイン、脱穀機…等々。
農村のこれらのグッズは、純粋に自分のできることが増えたり楽になるという手足増強要素をはらんでいるので楽しい。
 
そんな中、2ストロークだ4ストロークだ4気筒だと意味の分からない単語ばかりが溢れているのがこの世界。
いつもネタのように茅葺きの親方に、
「全然意味分からないっす。」
と言っている。
親方はいつも親切に、
「ここがこうなると圧がかかるから爆発してピストン運動が起こって…」
と教えてくれるのだが、脳みその中でその映像が全く作り出せないので、結局何言ってるかよくわからない状態になる。
 
「そこにお化けいるやん?見えるやろ?」
と言われてるのに近いものを感じる。
そしてそれは科学や物理でよく出てきた「〇〇の法則」みたいなものすべてに通ずる感覚である。

普段からそんなやりとりをしているので、親方が2ストロークの原理が分かるガチャポンを買ってくれた。
これを組み立てれば、仕組みが分かるかもしれない!とかなりワクワクした。
分からないことを知ろうという意欲は大人になって増しているのだ。
素晴らしい人生ではないか。

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改めて見てみる。なんと、対象15歳以上。エロ本並の対象規制である。

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入っていた部品。これを組み立てると、きっと仕組みが分かるに違いない。

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…完成した。手前のつまみをぐるぐる回すが、特に何も起こらない。
そもそも、スケルトンにしないと中で何が起こってるか分からないだろ…。

2ストロークの理解はできぬまま終劇。